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4年ぶりに復活 東京藝大吹奏楽クリニック 妙高市内3中学吹奏楽部が受講 コンサートで成果発表

後半の中学校吹奏楽部成果発表ステージ
前半の東京藝術大学アンサンブルステージ

 妙高市上町の市文化ホールで24日、「東京藝術大学吹奏楽クリニック成果発表コンサート」(市、市教育委員会主催)が開かれた。コロナ禍で休止していたが、4年ぶりに復活。新井、妙高、妙高高原の市内3中学校の吹奏楽部が同大講師からの指導を生かし、華麗な合同演奏を披露。会場の市民らから惜しみない拍手が送られた。

 妙高市と東京藝大(東京都台東区)には「日本近代美術の父」と称される岡倉天心を縁にした文化交流などがある。同事業もその一つ。同大教授と大学生による演奏指導は、10月中の2回と発表会前日午後、当日午前の計4回行われた。

 前半は同大のアンサンブルステージ。打楽器、サクソフォンのソロ、木管三重奏・管弦四重奏、金管五重奏・金管六重奏の楽曲を、研ぎ澄まされた合奏で来場者と中学生に届けた。

 後半は3中学校の吹奏楽部に同大指導講師が加わり成果発表ステージ。妙高高原中吹奏楽部顧問・東條望美教諭の指揮で「チェスフォード・ポートレイト」(J、スウェアリンジェン)を演奏。一体となり、さっそうと、きらびやかな音楽を奏でた。

 発表を終え、妙高中吹奏楽部の高橋こころ部長(2年、トロンボーン)は「少しミスしたところもあったが、最後までやり遂げて良かった」と充実した表情で話し、「上手な吹き方のこつなど、指導が印象に残っている。他の学校の人とも交流ができて良かった」と受講を振り返った。

 指導講師を務めた男子大学生は「入学直前からコロナ禍で、同級生と顔すら合わすことのできない時期があった。音楽の指導に関われることはうれしく、将来につながる体験。子どもたちのうまくなりたいという真剣さが伝わり、われわれも学ばせてもらう機会だった」などと話した。

 引率した碓井康平・教育研究助手は「人口減にコロナ禍もあり、吹奏楽に取り組む中学生の人数は全国的にも減っている。こうした活動を通じて少しでも盛り上げていければ」などと願っていた。

前半の東京藝術大学アンサンブルステージ