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棚田米、戦略的に販促 プロジェクトチーム発足 上越市

プロジェクトチームによる初の会議。棚田米の販促に向け、現状把握からアイデアまで情報を出し合った

 上越市の農業、流通、飲食、行政関係者らでつくる「棚田米販売促進戦略プロジェクトチーム」が立ち上げられ、19日、同市新光町1の上越文化会館で最初の会議が開かれた。今後、販売促進に向けた取り組みを検討し、来年度から戦略に基づく活動展開につなげる。

 同市は農林水産省が定める「つなぐ棚田遺産」の認定面積(約374ヘクタール)で日本一、日本穀物検定協会の食味ランキングでコシヒカリが10年連続特A評価を得るなど、棚田は市の重要な地域資源の一つとなっている。

 一方、棚田が多い中山間地域では高齢化や過疎化が進み、急傾斜や耕作面積の小さいこともあり、農家の後継者不足が課題。そのため市は生産者、消費者らの視点も踏まえた棚田米を取り巻く実態の把握と情報共有、さらに販売促進に向けたアイデアを募ろうと会議を開いた。

 市によるインターネット市場の調査では棚田米の産地別販売平均価格(60キロ換算)は、新潟が5万2450円で全国5位。一方、県内の地域別では上越市は4万3742円で下から2番目(全13地域中)の最安水準だった。また、棚田米よりもはさ掛け、有機栽培といった名称の方がより付加価値がつくことも分かった。

 出席者からは生産方法や食味など棚田米を名乗れる明確な基準・定義を求める声や、「棚田」という言葉をより浸透させる取り組みで棚田米の付加価値を引き上げるべき、などの声が聞かれた。飲食店からは、棚田米を使用する利点と食味コンテストなどの案もあった。