文字サイズ

新たな「水源」創出を 矢代川渇水対策協議会 妙高市で設立

設立に当たり、あいさつする安原会長
渇水した矢代川橋(妙高市上四ツ屋)周辺の矢代川(8月16日撮影)

 今夏の異常渇水により、水稲の立ち枯れ、水田のひび割れなど農業被害に見舞われた矢代川流域において、営農の存続維持に向けて結集し、新たな「水源」の創出を目指す矢代川渇水対策協議会の設立総会が17日、妙高市上町の新井総合コミュニティセンターで開かれた。

 矢代川流域は良質米の生産地として知られる。同協議会は矢代区長会と矢代広域農地保全委員会で発足。一級河川関川水系矢代川と、流れ込む中・小河川を含めた流域で営まれる農業に対して、渇水対策を速やかかつ抜本的に行い、持続ある健全な経営を図ることを目的に掲げた。

 設立趣旨文には「私どもはこの矢代川流域で暮らすものとして、こうした異常気象、異常渇水が今後、恒常化する恐れがあるのではないかと非常に危惧している」と言及。新たな「水」の創出に向かって流域関係者で協議会を設立、関係各方面の力を集め、一日も早い実現を目指すと記した。新たな水源はダム、ため池、圃場ため池、深井戸の開発、既存消雪用深井戸の活用など。

 設立総会には地元選出の国会議員、妙高、上越両市長、両市区選出の県会議員、妙高市議、土地改良区・地元区代表ら63人が出席。妙高市農林課による被害状況報告に続き、議事で設立、規則、役員に関する計3議案を承認した。

 役員に理事16人、顧問12人、参与10人らを選任。会長に安原源司・矢代区長会会長、副会長に早津之彦・斐太地区協議会会長を選出した。

 冒頭あいさつで安原会長は、極限に近かった今夏の「苦悩」を回顧。異常気象を「現実として受け止めなければならない」との認識を示し、「水がなくては始まらない。水が大切な資源」と強調。「このままでは当地域での農業がままならなくなる」との危機意識を話した。設立に当たり、大勢の参画に感謝し「これからがスタート。皆さんの絶大なご協力をいただいて、頑張っていきたい」と述べた。

 引き続き来賓を代表して、顧問に就任した高鳥修一衆院議員、梅谷守衆院議員、城戸陽二妙高市長、中川幹太上越市長(代理)、楡井辰雄県議会議長、県上越地域振興局の斎藤龍夫・地域整備部長、高野直行・農林振興部長(代理)、関根正明妙高市議会議長が祝辞を述べ、問題、課題の共有、解決への尽力を誓った。

渇水した矢代川橋(妙高市上四ツ屋)周辺の矢代川(8月16日撮影)