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「アッサン」(北海道)が名乗り 「権現荘」民間譲渡公募で 糸魚川市議会建設産業常任委 市が報告

 糸魚川市が直営で運営する日帰り入浴施設「柵口温泉権現荘」について、市が民間事業者等への譲渡に向けて実施した公募型プロポーザルでの最終的な応募事業者1者が、一般社団法人アッサン(北海道・厚沢部町、高橋和子代表理事)だと分かった。市が7日の市議会建設産業常任委員会で明らかにした。

 市によると、同法人は平成30年5月に設立、資本金100万円。北海道・厚沢部町の道の駅「あっさぶ」新商業施設の指定管理受託事業などを行っている。

 権現荘に関する提案内容は、譲渡や貸与などについては建物、付帯設備一式、土地の無償譲渡、源泉井戸と送泉管の貸与、日帰り温泉の10年間の継続、宿泊事業の継続など。

 市への財政支援として、設備投資・修繕費の一部として1億円(権現荘の大規模修繕費7357万円を含む)、日帰り温泉10年間継続に伴う光熱費の一部として月100万円、固定資産税5年間免除を要望している。

 これらを踏まえ、「食遊温泉『権現荘』」をコンセプトに「地域振興に寄与するブランディングの構築」を目指して事業を展開していくと提案している。

 収支計画・資金調達計画では、黒字転換するのは受託開業後4年目を予定。場合によっては関連会社から10億円の投資支援金を充当する考えがあるといい、米田徹市長は「高橋代表と東京でお会いした。『グループ会社で責任を持ちます』と明確に答えた」と明かした。

 10年間事業継続するとした場合の市の負担額の試算は、市が直営で続けた場合(日帰り温泉のみ実施)は約4億円、譲渡した場合(日帰り温泉、宿泊実施)は約2億5000万円。

 今後は地元説明会を経て、来年3月(市議会3月定例会後)の契約を想定している。一方で、能生事務所の高野一夫所長は「相手方の経営状況の確認、財政支援のご要望に対する調整などもあることから、必ず(アッサンと)契約を締結するという意味ではない。条件が合わない場合は交渉を中止する場合がある」と理解を求めた。