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蒲原沢土石流災害から27年 犠牲者14人の冥福祈る 米田市長ら 慰霊碑献花 防災強化へ誓い新た

「蒲原沢土石流災害」の現場近くに建つ慰霊碑に献花し、犠牲者の冥福を祈る米田市長(糸魚川市大所)

 平成8年12月6日に糸魚川市と長野県小谷村の県境で発生した「蒲原沢土石流災害」から27年が経過した6日朝、同市の米田徹市長と竹田健一消防長が、同市大所の現場近くに建つ慰霊碑を訪れた。犠牲となった人々の冥福を祈り、防災対策の強化を誓った。

 同災害は同7年7月11日に発生した「7・11水害」の復旧工事が行われていた現場で起きた。同市や県外から工事に従事していた作業員ら14人が大規模な土石流に巻き込まれて尊い命を失った。

 米田市長は毎年欠かさず同日、慰霊碑献花に訪れている。「大勢の方が亡くなられた。30年、50年たっても決して忘れられない。二度とこういう大災害は起こしてはならない」。慰霊碑に花を供え、手を合わせて寒さとともに巡ってくるこの日を改めて心に刻んだ。

 同災害を機に砂防工事現場における安全施工の対策や研究、技術の向上が図られている。「土木関係者もここに来て(安全を)再確認してくれると思う」と話した。

 慰霊碑は災害の教訓を風化させず、後世に伝えるため国道148号の国界橋橋詰に建てられた。犠牲者の名前と災害の概要が記されている。国土地理院の「自然災害伝承碑」に登録されている。