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芸術・文化

「上越能」記念の初公演 「久比岐能」引き継ぐ形で 上越文化会館で 

能「船弁慶」。静御前と義経の別れの場面
舅(しゅうと)と婿が田の水を争う様を描いた「水掛聟」。シテの舅(右)は人間国宝、山本東次郎さんが演じた

 第1回えちご上越能が2日、上越市新光町1の上越文化会館で開かれた。コロナ禍前に行われていた「久比岐能」を引き継ぎ、新たな形で記念すべき初回を迎えた。

 久比岐能は同実行委員会が主催し、能楽の上演と地元中学生を対象とした鑑賞教室を行ってきた。「えちご上越能」は同館と全国公立文化施設協会の主催、上越ケーブルビジョンの共催で始まった。

 演目は能が「船弁慶」、狂言が「水掛聟(みずかけむこ)」。仕舞は観世流皐声会の高橋康子さんらが行った。船弁慶のシテ(主役)を務めた観世流シテ方、観世喜正さんは久比岐能時代から出演しており、冒頭で「十数年続いた久比岐能が名称を新しく続くことは大変喜ばしい。県内は能楽、時に謡が盛んな土地柄。次の世代に広げてもらえれば」とあいさつした。

 そして狂言は「古い言葉が使われているが、内容は十分分かる。面白いところは大いに笑って」、能は「動きが多く登場人物も多彩。『船弁慶』」はトップ5に入る人気の演目」と説明した。

舅(しゅうと)と婿が田の水を争う様を描いた「水掛聟」。シテの舅(右)は人間国宝、山本東次郎さんが演じた