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謙信の家訓「宝在心」など歌う 移転前最後の講座 春日山荘コーラス教室

謙信の教え「宝在心」の曲を歌う春日山荘コーラス教室のメンバー
春日山荘の大広間に飾られている「豊かなる生活」の歌詞額

 春日山荘コーラス教室は4日、上越市春日山町1の同館で「謙信公に捧(ささ)ぐ!さよならコンサート」を行った。春日山の名が付いた施設での最後の講座で、思いを込めて上杉謙信の家訓をうたった曲を合唱した。

 同講座は今年で開講36年。54人が片所真理子さんの指導でコーラスを楽しんでいる。昭和50年設置の同館は、老朽化が進み、講座は来年度から市民いこいの家(同市石橋1)に移転する。コーラス教室は、4日が春日山荘での最後の講座となった。

 コンサートでは謙信の家訓「宝在心」と、それを取り入れた生活をうたう「豊かなる生活(くらし)」など4曲を披露。豊かなる生活は、同教室が練習している同館大広間に歌詞の額が飾られている。何げなく見ていたものだが、最後が近づくと気になり、なんとか歌いたいと級長の進士正己さん(81)が楽譜を探した。

 作曲の小杉誠二さんの資料を図書館で見つけ、そこから肉親に連絡が取れた。豊かなる生活だけでなく姉妹曲ともいえる宝在心の楽譜が手に入った。以後、約6カ月練習してコンサートの日を迎えた。

 当初は同館向かいの埋蔵文化財センター前に立つ上杉謙信像の前で歌う予定だったが、寒さのため普段練習し、歌詞の額がある大広間を会場とした。越後上越上杉おもてなし武将隊も登場、教室のメンバーは勝ちどきを上げて歌った。長年受講している女性(75)は「とても感激して、うれしくて涙が出た。皆さん頑張って、最高の歌になった」と話した。

 片所さんは「七転八倒で練習してきたが、無事に終えることができた。謙信の銅像に見守られて練習してきた。教えを胸に精進していきたい」とあいさつした。進士さんは「今後ももちろん歌い継いでいきたい」と話した。

春日山荘の大広間に飾られている「豊かなる生活」の歌詞額