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避難や救助 連携確認 トンネル内車両火災想定 トキ鉄、警察、消防で訓練

頸城トンネル内で避難誘導の訓練。トキ鉄社員が乗客役となり、緊急停止した列車車両から順に降りて退避した
訓練は消防や警察と合同で実施。地下のトンネルから乗客1人の救護、救出に当たった

 えちごトキめき鉄道(上越市東町)は23日、糸魚川警察署、糸魚川市消防本部と合同で、日本海ひすいラインの頸城トンネル(全長1万1353メートル)内・筒石斜坑と筒石駅で、列車火災事故に備えた訓練を行った。

 訓練想定は列車から火災が発生し、トンネル外に脱出を試みたが、車内に煙が充満したためトンネル内で緊急停止。車内から乗客を降ろし、緊急時の避難路となる斜坑に沿って誘導、地下40メートルから続く長い階段を上って地上の駅舎外へと退避させた。

 1両編成のワンマン運転で乗務員は1人。乗客役23人はトキ鉄社員が担い、高さのある車両から順に降りる際の受け止めなどを互いに協力し合った。1人が煙を吸って自力歩行が困難と設定し、消防隊員による救出、救護訓練も行った。

 訓練は3機関から総勢約80人が参加。トンネル内の列車火災を想定した対応訓練は平成30年に親不知トンネルで実施して以来で、コロナ禍を経て5年ぶりとなった。

 トキ鉄経営企画部の花水誠安全推進室長は「社として手順の確認、消防や警察との連携が確認できた」と話し、安全体制に一層気を引き締めた。

訓練は消防や警察と合同で実施。地下のトンネルから乗客1人の救護、救出に当たった