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地下4メートルに縄文時代の生活痕跡 下割遺跡(上越市北田中、米岡) 23日に現地説明会 発掘現場や出土品展示

地下4メートルで行われている縄文時代の層の発掘。現地説明会では上から見学する形となる
幅広い時代の出土品も展示される

 国土交通省高田河川国道事務所と県埋蔵文化財調査事業団は23日、上越市北田中、米岡の下割遺跡で、発掘調査の現地説明会を行う。地下4メートルで見つかった縄文時代後期の遺跡は、当時の上越地域の平野部で縄文人が生活していた痕跡を示す貴重なものという。

 同遺跡は国道253号上越三和道路の建設に伴い平成14年度から発掘調査が行われている。飯田川左岸の沖積地に立地し、標高約14メートル。これまでに縄文時代後期、古墳、飛鳥、平安時代、中世と幅広い時代の遺跡が重なって埋まっていることが分かっている。

 本年度は遺跡の西側約380平方メートルで発掘を実施。現地説明会に先駆け20日、報道陣に公開された。

 地下4メートルの縄文時代後期の層で、炉に使ったとみられる石が見つかり、竪穴式建物跡の可能性もあるという。一昨年度は墓と思われる土坑が発見された。同時代の層からは土器、磨製石斧(せきふ)と、製造に使ったヒスイのたたき石、接着用に使ったアスファルトとそれが付着した石の矢尻、祭祀(さいし)用と思われる土偶や石棒などが出土している。

 上越地域でこれまでに見つかった縄文時代の遺跡は丘陵地帯や海岸の砂丘で、平野部は数少ない。同事業団の荒川隆史調査課長は「生活道具一式の土器や狩猟、採集の道具などが出土しており、ある程度の人数が低地で暮らしていたことが分かる。小規模な遺跡ではない」と話した。

 現地説明会は23日午前10時から正午までと午後1時30分から同3時まで。会場は上越三和道路鶴町ICから車で約5分。グーグルマップに「下割遺跡」で登録されている。

幅広い時代の出土品も展示される