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記録的低水準の恐れ 1等米比率「まだ1割満たず」 JAえちご 上越管内

収穫期を迎えたコメだが、夏の高温により1等米は低迷している

 JAえちご上越管内の本年産米の1等米比率が、記録的な低水準で推移していることが分かった。14日までに行われた検査の結果、1等米比率は10%に達していない。原因は7月の梅雨明け以降の高温とみられており、同JAは「今後コシヒカリの収穫が本格化していくが、刈り遅れとならないよう注意を促していく」としている。

 これまでに検査が行われた品種は「つきあかり」「こしいぶき」と「コシヒカリ」の一部。等級低下の原因は、玄米の内部に亀裂が入る「胴割れ」、米粒の中のデンプン生成が未熟の「シラタ(乳白粒)」が多く、穂が出た後、もみが成熟する間の高温による生育障害が原因とみられる。

 近年では2019年、台風に伴うフェーン現象などにより、コシヒカリの1等米比率が10%台を記録したことがある。米の等級は食味ではなく、良質な米粒の割合や光沢、割れた米の含有量によって1等から3等までランク付けされる。割れたコメは精白した際の歩留まりが悪くなることが多く、米穀販売業者などから敬遠されることがある。さらにコメは等級により買取価格が変わるため、等級が低いコメが増加した場合、農業者の収入が減る。

 同JAの岩崎健二常務理事は「県内の水不足やコメの品質低下の恐れが全国的に報道されたことで、販売面では『新潟のコメは良くない』という風評が広がることを最も懸念している」と話した。