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4年連続で収支赤字 改築基本計画見直し是非で論議 上越地域医療センター病院

4年連続で赤字となっている上越地域医療センター病院

 上越市議会9月定例会の総括質疑で、上越地域医療センター病院(同市南高田町)に係る令和4年度病院事業会計を踏まえた質問が複数議員から上がった。

 同年度の収益的収支は、事業収益が24億8479万円、事業費用が27億5010万円で、差し引きはマイナス2億6530万円となり、4年連続の赤字となった。

 大島洋一氏(久比岐野)はこの原因をめぐって質疑。中川幹太市長は「収益の大半を入院および外来診療による医業収益が占めている。(昨年度は)新型コロナウイルス感染症の影響で診療制限を行い、患者数の減少が収益減になった。費用についてもエネルギー価格の高騰に伴い光熱費などが増加し、収益収支ともに悪化した」と説明した。

 市は令和元年度末、同病院を現在地で改築するための基本計画を策定。当初は同3年度に基本設計を行い、同7年度の新規開院を予定していたが、計画策定と時期が重なり同感染症が拡大。同4年度の進捗(しんちょく)は基本設計の前段階にとどまるなど、計画と現状に大きな乖離(かいり)が生じている。

 市はこの状況に鑑み計画を見直すとしている。高橋浩輔氏(みらい)と上野公悦氏(共産)は見直しの必要性や内容について質疑。中川市長は、6月の「上越地域医療構想調整会議」において、新潟労災病院の機能を上越地域医療センター病院を含む市内5病院へ機能再編する方針が示されたことに触れ、「上越圏域における医再編の議論を踏まえ、患者数や医療ニーズなどの変化を施設規模、設備の検討に反映し、計画の見直しに取り組む」とした。

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