文字サイズ

高田文化協会 60周年の節目祝う 堀口大學の長女すみれ子さん講演で父語る

式典であいさつする藤林会長(右)
父、堀口大學や母をテーマに記念講演する堀口すみれ子さん

 高田文化協会(藤林陽三会長)は2日、上越市仲町3の宇喜世で60周年記念式典を行った。会員らが節目を祝い、高田ゆかりの詩人、堀口大學の長女のすみれ子さんによる講演が行われた。

 同会は、戦後間もない地元や高田に疎開していた文化人らによる「上越文化懇話会」を前身に、昭和38年に設立された。機関誌『文芸たかだ』は隔月で現在386号まで刊行している。

 式典で藤林会長は小和田毅夫初代会長のエピソードや40周年記念で制作した杉みき子さん原作のDVD、毅夫さんの次男の恆(ひさし)さんを招いた50周年記念について紹介。小林古径記念美術館の宮崎俊英館長と上越詩を読む会初代会長の新保啓さんが祝辞を述べた。宮崎館長は「高田の本町に事務局があることが大きい。行くと誰かがいて、そこで交流が生まれる」と話した。

 堀口すみれ子さんは「父・堀口大學とわたし」の演題で、父と母のマサノさんら家族のことを中心に話した。マサノさんは妙高市関川出身。昭和13年に17歳で46歳の大學と出会い、翌年に結婚した。「東京に行く際、母に土産にチョコレートを頼まれた父は100枚買ってきた」とむつまじかった夫婦仲を振り返った。

 大學は、すみれ子さんが高校の修学旅行に行った際、心配して行く先々の宿に手紙を送っていたという。「甘やかされ、叱られたこともなかったが、書かれた詩から叱られ導かれている気がする」と話し、高田を去る際の『高田に残す』など、父の詩を朗読した。

 3日は午後2時から、同市本城町の高田城址公園オーレンプラザで記念事業として杉さんの「火をありがとう」を、朗読と歌で奏でるコンサートを開く。入場料2500円。

父、堀口大學や母をテーマに記念講演する堀口すみれ子さん