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渇水・干ばつで応急対策 ポンプ費や水田復旧費 営農継続へ上越市支援

8月31日に上越市役所で開かれた記者会見。空周一農林水産部長(左)らが渇水被害応急対策と水田干ばつ災害復旧などについて説明した

 梅雨明け以降に少雨、高温が続き、水稲を中心に農作物被害が拡大していることを受け、上越市は8月31日、新たな渇水被害応急対策と水田干ばつ災害復旧を実施すると発表した。

 干ばつ応急対策は土地改良区を事業主体として、農地へ水を送る水路掘削やポンプ購入などの費用の4分の1を補助する。県の対策と合わせ、費用の4分の3が補助されることになる。ポンプなどの燃料代も半分を補助する。対象期間は7月24日から9月10日まで。

 干ばつ災害水田復旧事業は、乾燥して深い亀裂が入った水田を市が稲刈り後に調査して復旧工事を行う。本事業では、亀裂が複数生じた水田を対象に復旧経費の65%(うち県補助35%以内)を補助する。

 市が進めてきたかん水用機械等整備対策の対象開始日を、7月24日とした。同日発表された高温に関する早期天候情報を受け、渇水対策でポンプなどを購入した農業者等を対象とするためだという。

 市によると中山間地を中心に、水田約70ヘクタール(8月25日時点)、枝豆などの畑作約13ヘクタール(同30日時点)、深い亀裂が入った水田約35ヘクタール(同18日時点)などで渇水被害が出ていて、今後、さらに拡大する恐れがあるという。空周一農林水産部長は「支援事業の予算は9月市議会で追加提案予定だが、早く発表して農家の不安を少しでも軽減したい。特に水が抜けてしまうため、水田の亀裂復旧は多くの農家から要望があった。来年度以降も農業を継続できるよう、支援を行っていきたい」と話した。