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わせ品種うるち米「つきあかり」検査 1等米比率は約6割 高温影響もほぼ平年並み

24日に行われた本年産「つきあかり」の初検査。現在も続く高温の影響がみられ、関係者から不安の声も聞かれた

 JAえちご上越は24日、上越市長面の長面検査場所で本年産米の初検査を行った。旧上越市内の生産者が出荷したわせ品種のうるち米「つきあかり」を検査。高温の影響もあり、1等米比率は約6割と前年よりやや劣ったが、品種全体としてはほぼ平年並みだった。検査済みのコメは同日出荷され、今週末から関東圏のスーパーで販売されるという。

 2年前から、関東圏のスーパーから早場米として「つきあかり」の取引要望があり、今年も昨年と同じ日程で検査を行った。

 同日は市内の1生産者が出荷した約18トン、米俵(1俵60キロ)換算で306俵分を検査。資格を持つJAえちご上越の検査員3人が、各袋から抜き取ったサンプルの水分量や粒の大きさを調べた。検査の結果、1等米は61%、2等米が39%。粒はやや痩せ、背白、腹白の未熟粒が見られ、格下げの要因となったという。胴割れは例年並み、着色粒はなかった。

 JAえちご上越によると、お盆を過ぎても続いている異常高温が原因とみられ、早ければ9月上旬から収穫が始まるコシヒカリなど、今後のコメは高温に加えて渇水の影響で、品質と収穫量に不安があるという。すでに、もみが付いてもコメが育たないなどの被害が報告されている。

 岩崎健二常務理事は「過去にない異常気象となっているが、皆さんの協力で初検査を迎えられた。結果は前年より少し劣るが、皆さんの尽力によりこの規模で収まったのではないか」と関係者に感謝。「今後は適期刈り取りや適切な乾燥など指導徹底し、基本技術を守ってもらい、品質を落とさないようにしていきたい」と語った。

 管内の今年の米作付面積は1万966ヘクタール、73万2494俵で検査を予定している。