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帆船「日本丸」が出港 感動と絆残し 延べ1万6000人来場 姫川港

姫川港を出港する帆船「日本丸」。市民らが埠頭から手を振って見送った
姫川港開港50周年記念事業実行委員会から記念品に糸魚川産米を贈呈。米田市長から菊池船長へ贈られた

 糸魚川市の姫川港開港50周年記念事業で、10年ぶりに招致した国内最大級の帆船「日本丸」(独立行政法人海技教育機構所属)は9日、6日間の寄港日程を終えて出港した。

 出港に先立ち、船が停泊している西埠頭(ふとう)で歓送式が行われた。同事業実行委員長の米田徹市長は「姫川港に大勢を迎えることができ、帆船の姿に来場者全員が感動した。これからも日本丸に寄港いただいた港であることを誇りに港の整備促進に力を入れていきたい」と感謝した。記念品として糸魚川産米120キロを贈った。

 乗組員、実習生を代表して菊池章友船長が「これからの実習に生かせる良い機会となった。姫川港と日本丸の絆がますます深まるよう、また皆さまに会えるのを楽しみにしています」とあいさつした。

 出港準備を整えた実習生が甲板に並んで整列。埠頭に集まった市民らの見送りに手を振り、航海訓練に向けて港を後にした。市内小学3年の男児は「最終日に間に合って見られてよかった。また来てほしい」と話した。

 今回の寄港では安全徹底の観点から帆は張られず、残念がるファンの声も聞かれたが、甲板公開や夜のライトアップを行って壮大で美しい船体を間近に披露した。市商工観光課によると来場者数は延べ約1万6000人。

 また、実習生100人は一般公開で来場者を案内し、市内見学ではフォッサマグナミュージアムやマリンドリーム能生などを訪問して市民交流や糸魚川の地にも親しんだ。

 県立海洋高出身の女子実習生(20)の母親、黒岩悦子さん(56、長野県)は「(実習で)日本丸に乗船できることも貴重な上に姫川港に寄港できるなんて。糸魚川は娘本人にも思い出深いところで縁がある」と感激していた。

姫川港開港50周年記念事業実行委員会から記念品に糸魚川産米を贈呈。米田市長から菊池船長へ贈られた