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文化財保存活用地域計画 糸魚川市を認定 新発田市と並び県内初めて 保護保全へ弾み 文化庁

国の天然記念物に指定されている青海川硬玉産地。適正な保存、活用に整備基本計画を策定する(糸魚川市文化振興課提供)

 糸魚川市教育委員会が作成した文化財保存活用地域計画が文化庁長官により認定された。計画期間は令和6年度から10年度の5年間。目指す将来像に「地域総がかりで文化財を次世代に確実に継承し、歴史文化の魅力にあふれる誇れるまち」を掲げ、地域振興や教育、観光の施策と連携した取り組みを進める。同計画の認定は21日付。新発田市と並んで県内初。

 同計画は平成30年の文化財保護法改正により制度化され、全国の各自治体で計画を作成し申請。認定を受けることで中・長期的な具体的事業の可視化や文化的な所産の把握、補助率加算など国庫補助事業における優遇等の効果が見込める。

 同市は世界最古級のヒスイ文化発祥の地、日本初のユネスコ世界ジオパーク認定地、東西文化の境界地域、祭り舞楽など多様な風俗慣習が特徴に挙げられる。建造物や美術工芸品の有形文化財、民俗文化財、遺跡(史跡)や動植物・地質鉱物の記念物など国、県、市指定等は現在161件。未指定文化財として1344件を把握している。

 過疎化や少子高齢化により文化財の消失などが懸念される。26日に開かれた市教育委員会定例会で文化振興課は「課題と方針を定めて順次取り組んでいく。文化財は民間所有者も多く、コンタクトを取って進めていきたい」とした。鶴本修一教育長は「貴重な計画が出来上がった。計画に沿って文化財を利活用し、保護保全に努めていきたい」と話した。

 計画認定後の最初の取り組みとして、国の天然記念物に指定されている青海川の硬玉産地整備基本計画の策定にかかる。学識者や関係機関などの代表者による策定委員会を8月1日付で設置する。