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直江津などに1000億円投資 シリコーンで設備増強 信越化学工業が発表

 信越化学工業(本社・東京都)は27日、シリコーン分野で直江津工場(上越市)をはじめ、国内外の拠点に1000億円規模の投資を行うと発表した。最も早い拠点では来月に着工し、2024年3月期の期初に完成、稼働させる予定。拠点ごとの投資額は非公表。

 カーボンニュートラルに資する環境対応製品への需要が今後さらに高まるとみて、生産体制を拡充し、高機能化や環境配慮型製品の拡充に取り組む。脱炭素に向け世界的に導入が進む電気自動車(EV)分野では、放熱シートやグリース(シリコーンオイルをメインとするペースト)などがシリコーン製品だ。ほかにも半導体や通信分野でシリコーン製品が用いられている。

 投資は直江津のほか、群馬事業所(群馬県安中市)、武生工場(福井県越前市)といった国内拠点以外に、モノマーとポリマーの生産を行うアジア、アメリカ、ヨーロッパの拠点でも行う。

 同社の23年3月期の売上高は2兆8000億円。シリコーンが多くを占める機能材料分野は4900億円で、売上高全体の17%を占める。同社は昨年2月、シリコーン製品の増産に向け直江津工場をはじめ、3工場に800億円の投資を発表。シリコーン分野への投資を続けている。