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市立水族博物館「うみがたり」 ゴマフアザラシの子獣公開 父・ジローに見守られプールデビュー 上越市

今年3月に生まれたゴマフアザラシの子獣
父のジロー(手前)と並んでプールを泳ぐ子獣

 上越市五智2の市立水族博物館「うみがたり」は10日から、今年3月24日に生まれたゴマフアザラシの子獣の一般公開を始めた。子獣は父のジローに見守られ、観客の前でプールデビューを果たした。

 この日公開された子獣は雄のジローと雌のナノハの間に生まれた雌。ジローは国内で飼育されている個体の中で最高齢の41歳にして初めて父獣となった。ジローは〝立つゴマフアザラシ〟として人気者となったジョーの子。旧上越市立水族博物館で生まれ、子獣はジョーの孫に当たる。15歳のナノハは昨年、アラシ(14)との間にフタバを産んでおり、同館では2年連続のゴマフアザラシ誕生となった。

 子獣は体重11・58キロで生まれ、先月末で29キロまで成長した。これまでバックヤードで飼育され、館内のモニターで公開してきた。自力で飼育員から餌をもらえるようになり、一般公開となった。環境に慣らすため、飼育するふれんどプールは当面子獣とジローの2頭のみの展示となる。

 観客のカウントダウンとともに登場した子獣は、これまでのバックヤードより広くて深いプールを見つめて何度も顔を入れ、飼育スタッフに促されるように水中に入った。自力で陸に上がると、観客から拍手が起こった。

 飼育スタッフの柴田凪沙さん(26)は「目が大きく、顔がジローに似ている。好奇心旺盛で、物おじしない性格」と子獣について解説。「プールで泳いでいる姿を見ると感慨深い。愛される子に育ってほしい」と思いを語った。

父のジロー(手前)と並んでプールを泳ぐ子獣