可能性は無限大 上越をeスポーツの聖地に
若い世代を中心に広まっているeスポーツ。老若男女問わずプレーでき、年齢や性別、国籍、障がいの有無を超え、誰もがつながれるeスポーツには大きな期待が寄せられ、世界的にも社会的ステータスは年々上昇しています。上越でもプレーヤーが増加し、最近では学校での部活動もスタート。5G時代に向けて上越をeスポーツで活性化していく活動について、上越5e協議会・(株)丸互常務取締役の半田さんに話を聞きました。
話題のeスポーツで上越を盛り上げたい!
対戦型のコンピューターゲームやビデオゲームをスポーツとして競技するeスポーツ(electronic sportsの略)。新型コロナウイルスの影響により市場規模は急速に拡大し、国内外でさまざまな大会が開催されています。全世界でeスポーツ人口はすでに1億人を超えており、日本でもプロライセンスを取得しているゲーマーも300人弱と増加中。今後オリンピック種目に採用される可能性もあり、年々注目度は高まっています。
そんな話題のeスポーツを体験できる施設JM‐DAWN(ジェーエム・ドーン)が上越妙高駅前にあります。この施設は、5G(次世代の移動通信システム)通信ネットワークの利用を見据えたビジネスの拠点として、2021年12月に株式会社丸互により開設されました。上越妙高エリアの地域活性化に取り組む13の企業・団体が集まり設立された、5G利用した実証実験が可能な最先端のサテライトオフィス・コワーキングスペースです。
半田さんは「上越妙高駅周辺は交通の便がよく、全国各地から人が集まりやすいということもあり、将来的には全国大会の開催を目指しています」と、この地を選んだ理由を話してくれました。
eスポーツを通した成長を
新潟県内で初めてeスポーツを部活動としたのが、2023年4月より正式に活動を開始した、関根学園高等学校パソコン部eスポーツ科です。部員はプロへの登竜門ともいわれている「全国高校eスポーツ選手権」出場を目指し、週2日、JM‐DAWNで技術を磨いています。
「ただゲームをしているだけ」と思いがちですが、競技としての技術を高めるにはコミュニケーション能力が重要です。戦術やチームワークが鍵となるため、声のトーンや大きさなどの小さなことから情報を得ることが勝敗に繋がるそう。どのようにすれば勝てるのか考え、練習を重ねて個人やチームとして成長しています。
パソコン部ではほかにも介護施設の利用者とのeスポーツを通じた交流など、地域貢献活動にも積極的に取り組んでいます。部員が利用者の隣に座り、操作についてアドバイスしたり、手助けしたりしながらレースゲームに挑戦。普段触れることがないゲームを若い世代と一緒にプレーすることは利用者にもよい刺激になっているようで、参加者からは「大変だけどおもしろい」などの声が聞かれています。
頭を使ったり指先を動かしたりすることは認知症予防に効果があるといわれていて、全国には活動の一環としてeスポーツを取り入れている介護施設もあるほど。この活動は今後も継続を予定しています。「年代、性別を問わず、誰もが楽しめるeスポーツだからこそできることだと思っています」と半田さんは話します。
遊びとしてのゲームを超え
eスポーツが普及することで、子どもの将来の選択肢が増えるのではと期待されています。前述の同部員からは進路としてeスポーツ大会の運営やゲーム制作、プロゲーマーを目指したいという声もあるそう。
群馬県は「eスポーツ先進県」といわれています。群馬県庁には「eスポーツ・クリエイティブ推進課」があるほどで、全国レベルの大会も多数開催されています。半田さんは「協議会では群馬県の事例を参考にしながら、上越の好立地を活かし、IT企業の誘致や全国大会開催も視野に入れて活動しています。将来的に上越をeスポーツの聖地にできるよう、がんばっていきたいです」と意気込んでいます。