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上越市内で唯一「はしごのぼり」 9日に演技披露 市消防団板倉方面隊 公開練習 伝統つなぎ心一つに

団員は一日の仕事を終えてから、はしごのぼりの練習に臨む。気を抜けば、けがに直結するだけに張りつめた空気が漂う
木遣り歌に合わせてまといを振り、行進する練習

 上越市内に唯一となった、市消防団板倉方面隊による「はしごのぼり」の演技披露が9日午後4時15分ごろから、板倉区針の板倉運動広場で行われる。雨天、強風などの場合は中止する。

 同方面隊のはしごのぼりは明治時代、江戸町火消しの技術が伝わったのが起源とされ、100年以上の歴史を持つ。はしごの上で披露する技、まといを振りながら行進する際の木遣(きや)り歌(仕事歌)などが受け継がれている。

 6日夜、同区高野の本龍寺境内で、同方面隊幹部や地元選出の市議らを招いた公開練習が行われた。選手がはしごをするすると上り、物見をするしぐさをしたり、はしごに肘をついて横になる「邯鄲(かんたん)夢枕」などを次々と披露した。また、木遣り歌に合わせ、まといを振りながら行進する練習も行われた。

 同方面隊のはしごのぼりは、毎年6月行われる訓練や、1月の市消防団出初め式などで披露されるが、2020年に始まった新型コロナウイルスの感染拡大で近年は披露がなかった。

 消防団のはしごのぼりはかつて同区内に複数あり、大潟区にもあった。しかしけが人の発生や担い手不足で継続断念が相次ぎ、今年2月には大潟方面隊も必要な人数を確保できず活動を終えた。

 板倉方面隊の第2分団長ではしごのぼり隊長の藤巻吉明さん(42)は「先人が築いてきた伝統を、自分たちで終わらせたくない。はしごの上で見物客の注目を浴びることができるのは選手の誇り」と話した。増村剛方面隊長は「文化的にも価値があると思っている。心を一つにしてくれる、方面隊のシンボルだ」と話していた。

木遣り歌に合わせてまといを振り、行進する練習