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上越市出身建築家・渡邊洋治最後の実作 「斜めの家」に泊まって学ぶ 4月からスタート 上総高生徒が準備協力

高校生が障子の貼り替え作業。障子の寸法は建物の形状に合わせた独自のものだという
斜めの家の外観。独特な形状の家に泊まることを通じて、建築家の空間作りを学ぶ場とする

 上越市出身で建築家の渡邊洋治(1923~83年)の最後の実作「斜めの家」(同市)を宿泊可能な学びの場として活用し、保存を図る取り組みが4月から始まる。運用開始に向けた準備作業が進む中、県立上越総合技術高の生徒が3月28日、障子の貼り替え作業を行った。

 渡邊洋治はその力強い造形から「異端の建築家」「狂気の建築家」と呼ばれた。斜めの家は昭和51年に建築された木造住宅で、建物全体が傾いたように見える特徴的な外観をしている。

 平成12年から空き家となっていたが、同25年から再生プロジェクトが進んでいる。「泊まって学べる名住宅」とし、住宅に宿泊することで渡邊の世界観を感じてもらうとともに、保存費用を賄う取り組みを計画。改修費用のためのクラウドファンディングを昨年に実施し、目標額の118%を達成した。

 当面はクラウドファンディング支援者が宿泊する予定で、来年にかけて約100組の予約が入っている。再生プロジェクトの中心人物の一人で一級建築士の中野一敏さん(49)は「有志による保存活用の第一歩が踏み出せることがうれしい。継続して支えてもらえるよう、準備をして迎えたい」と話す。

 28日は上越総合技術高建築設計部の1、2年生3人が準備作業に参加。10枚ある障子の貼り替えを行った。中野さんが同校の非常勤講師を務める縁で、過去にも生徒が清掃活動などで協力。渡邊は旧高田工業高の卒業生で、作業を通じて偉大な先輩の作品を学ぶ狙いもある。加藤結菜さん(1年)は「(斜めの家に来るのは)初めてで、なぜ斜めなのか、すごく面白さを感じる。残していく取り組みはすばらしいと思う」と話した。

斜めの家の外観。独特な形状の家に泊まることを通じて、建築家の空間作りを学ぶ場とする