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小木―直江津航路29日再開 関西からの誘客に照準 佐渡汽船 尾渡社長展望を語る

北陸新幹線の敦賀延伸を受け、関西方面からの誘客に意欲を示す尾渡社長。小木―直江津航路の活性化も期待される

 佐渡汽船(本社・佐渡市)は29日から今年の小木―直江津航路の運航を始める。「佐渡島の金山」世界遺産登録を見据え、需要増に期待がかかる。一方で航路維持には多額の固定経費を要し、黒字化は難しい。尾渡英生社長に展望を聞いた。

 ―昨年の運航を踏まえ今年改善した点は。

 午後8時に直江津港に到着する便は2次交通に乏しく、昨年途中からジャンボタクシーを用意し直江津駅、上越妙高駅に乗客を送り届けた。今年は初日から運行する。宿泊需要に応えるため高田駅を停車箇所に加えた。

 ―昨年の輸送人員は約7万人だった。今年の目標は。

 総運行本数に占める小木―直江津航路の割合は10%以上。輸送人員も総輸送人員の10%を占めるようになれば。

 ―「佐渡島の金山」が今年世界文化遺産に登録された場合の波及効果は。

 運航ダイヤは、コロナ前の(輸送人員)150万人でも対応できる。世界遺産登録による観光客の伸びはあると思う。佐渡の旅行客受け入れ能力は、宿泊施設にかかっている。2次交通も課題だ。自動車やバスで来島してもらえば特定地域に人が集中せず、受け入れ能力をさらに発揮できる。

 ―北陸新幹線敦賀延伸で関西・中京圏からの来訪が期待される。誘客の取り組みは。

 関西の旅行会社とバスツアーを造成中だ。小木―直江津航路を利用し佐渡を観光するプランが増える。上越妙高駅からバスで佐渡へ向かうツアーも仕立てたい。

 ―航路の黒字化の見通しは。

 ターミナル賃借料や人件費を勘案すると、損益分岐点は高いところにある。ただ公共交通であり「赤字だからやめる」という結論にはならない。経営努力で赤字を少なくし、PRに取り組み、関係自治体に補填(ほてん)をお願いし、続けたい。

 ―現在の佐渡旅行の魅力は。

 自然の中で家族や友人と多様な楽しみ方ができる。グループ会社のSADO二ツ亀ビューホテルは星空鑑賞会を開いている。釣り場は豊富で、佐渡島を1周する210キロの自転車コースがある。大きな寺社も魅力だ。