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サイエンスカフェ上越 昔の信濃川の流れ解説 地学を研究・吉越正勝さん 地層調査し推定

100万年前の古信濃川の流れについて解説する吉越さん

 上越地域の専門家から科学分野に関する話を聞く「サイエンスカフェ上越」が17日、上越市土橋の市民プラザで開かれた。

 70回目となる同日のテーマは「100万年前 古信濃川は高田平野を流れていた―渡辺吉和氏のライフワーク―の解説」。地学団体研究会会員の吉越正勝さん(76)が、渡辺さんが長年研究してきた「木崎流紋岩」について解説。この岩を基に、いにしえの信濃川がどのように流れを変えていったかを解説した。約60人が聴講した。

 木崎流紋岩は長野県大町市の木崎湖西岸で6700万年前に火山活動で噴出した、青色や白色の光沢を放つ月長石(げっちょうせき)を含む流紋岩。

 信州大の学生時代にこの岩に出合った渡辺さんは、後の高田での地質調査の際、清里区と妙高市でも発見。70キロほど離れた場所で見つかった由来の原因を調べるべく、教員退職後に研究に取り組んだ。

 渡辺さんは月長石流紋岩を鍵層とし、これを含む地層を長野県中信地方から新潟県中越地方まで調査。しかし渡辺さんは研究の完成間近に病気で亡くなった。

 吉越さんら仲間が研究を引き継ぎ、木崎流紋岩を含む大川層、猿橋層、小濁層の礫(れき)層を分析。200万年前から50万年前までの流紋岩の供給経路を推定して古地理図に落とし込み、かつて高田平野辺りを流れていた川が火山活動によって流れを変え、現在の信濃川に至るまでの変遷を明らかにした。

 サイエンスカフェ事務局の池田定充さん(79)は「市民の関心が高い。今後も鳥や植物など、地域にまつわる話題を取り上げていきたい」と意欲を話した。