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小川未明文学賞 古都こいとさん(東京)大賞 やすふみえさん(千葉)優秀賞

大賞を受賞した古都こいとさん(提供写真)
優秀賞のやすふみえさん(同)

 第32回小川未明文学賞(上越市、同賞委員会主催)の受賞作が決定し、21日、同賞委員会の宮川健郎委員長が中川幹太市長に報告した。大賞は東京都の鍼灸(しんきゅう)師、古都こいとさんの『如月さんちの今日のツボ』、優秀賞は千葉県の大学教員、やすふみえさん(46)の『まよいねこトラと五万五十五歩』が選ばれた。

 大賞受賞作は母を亡くした鍼灸師の息子が血縁の有無を乗り越え、家族の絆を再構築していく物語。宮川委員長は「(登場人物の)気持ちの問題を(鍼灸の)つぼを通して語っていて分かりやすい」と評価した。

 優秀賞は森に迷い込んだ猫が尺取り虫と仲良くなり、お互いの特徴を生かして助け合う短編。宮川委員長は「未明の作品は短編しかない。昨年、今年と短編で優秀賞が出て未明文学賞にふさわしい」と話した。

 同賞は上越市出身の童話作家、未明の文学精神を継承する作品の輩出などを目的に行われている。今回は前回から微減の553編(短編309、長編244編)の応募が全国からあり、同市内からは6編が寄せられた。第1次選考を通過した9編から、宮川委員長や未明の孫で詩人の小川英晴さん、小川未明文学館専門指導員の小埜裕二上越教育大教授らによる最終選考で15日に決定した。

 大賞受賞作は11月ごろにGakkenから単行本として刊行される。この日は、前回の大賞受賞作『今日もピアノ・ピアーノ』(小さな僕のメロディ改題)73冊が宮川委員長と菊永謙副委員長から同市へ寄贈された。同市内の小学校や図書館などに配置される。

優秀賞のやすふみえさん(同)
前回の大賞受賞作を中川市長、早川義裕教育長に手渡した宮川委員長(左から2人目)と菊永副委員長(左)