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3項目で改善策 小学校給食アレルギー事故 学校8割で対応必要 上越市教委報告書 

症状発現からエピペン注射まで18分を要したことへの評価を報道陣に問われ、回答する市川教育部長(中央)ら

 上越市立小学校で昨年9月、乳・乳製品にアレルギーがある児童1人がアレルギー物質を含む給食を食べ症状を発症、一時入院した件について、市教育委員会は対応経過や再発防止策を記した報告書をまとめ、14日の市議会文教経済常任委員会で報告した。

 児童は乳・乳製品を含む冷凍クリームコーンを使用した食事の一部を取った後、腹痛や息苦しさなどを訴えた。教員らが発症から18分後にエピペンを注射、同市内の病院に搬送された。

 市教委は事故の原因を(1)栄養教職員が配合成分表を取り寄せず発注した(2)調理員が原材料の確認時に「脱脂濃縮乳」の記載を見落としたこと、が原因だと結論づけた。

 報告書によると、本年度市立小・中学校の児童生徒1万2600人のうち、食物アレルギーがあり、給食で対応を必要とするのは2%に当たる約250人。対応が必要な学校は全69校の8割に上る。市教委は報告書で(1)アレルギー物質を含む加工品を、アレルギー疾患を持つ児童に食べさせないための対策(2)アレルギー症状が発症した場合の対策(3)情報提供の在り方、について改善策を示している。

 事故の当事者となった児童の保護者は「アレルギーは死に直結するということを忘れないでほしい」と報告書にメッセージを寄せた。

◇エピペン注射 認識に甘さか 時間、対応で質問集中 市教委会見

 委員会終了後、市川均教育部長らが記者会見を開いた。会見では、「児童が症状を呈してからエピペンを注射するまでに18分間を要したことへの評価」がなされていないことに多くの質問が寄せられた。

 評価を報告書に記さなかったことについて、市川教育部長は「18分が意味するものは何か、ということは議論したが、強調しなければならないのかと考えた」と述べた。2012年、当時小学5年の児童が死亡した東京都調布市の市立小学校でのアレルギー事故の報告書では、症状を呈してから14分後にエピペンを注射したことを検証し、対応の迅速性を指摘している。

 また、エピペンの取り扱い方法などを示したヴィアトリス社のホームページには、食物によるアナフィラキシー症状発現から心停止までの時間は30分(中央値)であると記されているが、市川部長をはじめ会見の出席者は把握していなかった。

 市川教育部長は「ほかの自治体で大きな事故が起きたことを受け、手引きを作り、国・県の動向に応じて詳細な手引きを用意したのに、事故が起きたことを考えなければならない。マニュアルを整備すればするほど、油断が生じた」と述べた。

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