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上越沖表層型メタンハイドレート 採掘技術検討状況など紹介 県主催で講演会 上越市

カーボンニュートラルとメタンハイドレートの関係について「CCSとの組み合わせを考えている」とした産総研の天満氏

 上越沖で存在が確認され、採掘方法の検討が進む「表層型メタンハイドレート」に関する講演会が19日、上越市の上越文化会館で開かれた。県主催。産業技術総合研究所(産総研)エネルギープロセス研究部門の天満則夫・総括研究主幹と東京海洋大の青山千春特任准教授が、それぞれ講演した。

 上越沖のメタンハイドレートは、海底にガスが噴出している穴(ガスチムニー)の周囲に、氷のように固まっている。資源エネルギー庁によると上越沖の海底地形の一部分に存在する表層型メタンハイドレートの量は、メタンガス換算で推定約6億立方メートル。国内で必要なメタンガスの2日分に相当する。

 産総研は昨年9月、上越沖で海底の地盤強度調査と掘削が生物に与える影響に関する調査を行った。産総研は表層型メタンハイドレートの採掘を、大口径ドリルによる鉛直掘削方式でできないか検討している。天満氏は掘削のための刃の形状、陸上試験の結果などを紹介した。

 青山特任准教授は、東京海洋大と膜構造物メーカーの太陽工業(大阪市)などでつくるチームで、直径10~20メートルのドームテント状構造物を採掘地点に覆いかぶせ、メタンハイドレートの回収を図る技術を研究中。「取りこぼしが少なく、膜外への環境影響も少ない」と利点を説明。地元企業の技術を研究に生かしていることに触れ「使える技術やノウハウがあれば、ぜひ教えてほしい」と呼び掛けた。上越市では水中音響メーカーのウエタックスが協力している。

 出席者はメタンハイドレートの商用利用、脱炭素の動きとの関係を質問。「二酸化炭素排出削減とメタンハイドレートの関係」について、天満氏は「カーボンニュートラルの視点は必要。二酸化炭素の回収・貯留(CCS)と組み合わせることを考えている」と答えた。