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『ヘアアート作品集』が入選 日本自費出版文化賞 グラフィック部門 三和区出身上野和彦さん

表彰状を手にする上野さん(左)と主管したNPO法人日本自費出版ネットワークの中山千夏代表理事(11日、東京都千代田区のアルカディア市ケ谷、上野さん提供)

 三和区出身で愛知県日進市のヘアクリエーター、上野和彦さん(71)が2020年に出版した『ヘアアート作品集 上野和彦の世界』(風媒社)が、今年の日本自費出版文化賞(日本グラフィックサービス工業会主催)のグラフィック部門で入選した。

 同賞は直近10年以内に自費出版されたものを小説、エッセー、グラフィックなど7部門で表彰し、自費出版の活性化を目指す。今年の応募総数は658。2次選考を通過した71作品を7人の選考委員が審査した。

 同著は、上野さんが2020年までの44年間に生み出した作品66点を収録したもの。05年の「愛・地球博」のマスコットをアイキャッチに用いた「モリコロヘア」、頭頂部から木が生えたように見せる「盆栽ヘア」といった、鋭い感性と自由な発想を感じさせる作品が並ぶ。

 上野さんは2歳の時に大やけどを負い、頭髪の左半分を失った上、ケロイド状の傷跡が残った。自身の経験もあり、病気や事故で頭髪を失った人向けにかつら製作を手がける「サン・ヘアー中部」(名古屋市)を経営しながら「日本熱傷ボランティア協会」を主宰、やけど・けがで毛髪を失ったり、皮膚の後遺症に悩む人の支援を続けている。17年に「現代の名工」に選ばれた。

 上野さんは「ヘア作品の出版で入選できたことは、これ以上ない喜び」と話した。著書の売り上げの一部は21年、日本熱傷ボランティア協会に寄付したという。