高田の歴史に思いはせ 老舗絵看板新たに製作 八十二銀行高田支店、越後高田三野屋 高田本町百年商店街プロジェクト


上越市高田本町商店街の老舗店をイメージした絵看板が、新たに2基完成し、17日に各店舗前でお披露目された。
絵看板の製作は、高田本町百年商店街プロジェクト(宮越紀祢子代表)が地域活性化を目的に、2018年から取り組んでいる。
絵看板は業種や扱う商品の内容などを遊び心やひねりを加えたデザインで表現。宮越代表(78)が古い文献や資料を基におおよそのデザインを、同市仲町6の木工業「まるやす」(竹田基代表取締役)が製作を請け負った。
今回製作されたのは、八十二銀行高田支店(本町4)と「越後高田三野屋」(本町5)の2店。
八十二銀行高田支店の絵看板は、ケヤキ板に「両替」の文字が大きく太字で書かれたもの。大判や小判を思わせる楕円(だえん)形で、大きさは縦90センチ、幅60センチ。同支店のショーウインドーに掲示され、通行人の目に入りやすい。
同支店の前身である「成資銀行高田支店」は1897(明治30)年に現在地に創業。同支店の川村岳史次長(43)は「100年以上続いているのは、商店街や地域の皆さんの支えのおかげ。歴史を知り、思いを寄せてもらう良い機会」と喜んだ。
一方の越後高田三野屋の絵看板は、馬がモチーフ。昔から餅菓子やまんじゅう店には馬の置物が飾られていたといい、「あら、うまい」と荒馬をかけて「アラウマシ」の文字が添えられた。馬には鼻息を抑える意味があるとされるおかめの面がかぶせられ、おめでたい雰囲気も感じさせる。
同店は1914(大正3)年の創業。4代目の星野明光社長(53)は「4代目に恥じないよう、あらためて頑張ろうと思わせてくれる素晴らしい看板。城下町高田の歴史に思いをはせ、足を運ぶきっかけになればうれしい」と話した。
絵看板はこれまで3年間で30軒分を製作(後に1軒が閉店)。今回2基が加わり、全31基となった。同プロジェクトは本年度、絵看板すごろくの制作や販売、商店街イベントなどを実施予定で、宮越代表は「百年老舗通りをブランドとして、強く発信し、観光客を呼び込みたい」と意気込みを語った。
