上越、開志JSCに惜敗 猛反撃も延長戦で涙 全国高校サッカー県大会準決勝

第102回全国高校サッカー選手権新潟県大会は3日、新発田市五十公野公園陸上競技場で準決勝が行われた。2年ぶりにベスト4に進出した上越は開志学園JSC高等部と延長戦まで計100分間の激闘の末、3―4で敗れ、初の決勝進出はならなかった。決勝は帝京長岡―開志学園JSCの顔合わせとなり、12日に行われる。
終了のホイッスルが鳴った瞬間、猛反撃も及ばずに敗れた上越イレブンがピッチに膝を落とした。目に涙を浮かべ、悔しさを見せる選手も。6月の県総体に続き、選手権予選は2度目の4強入りを果たしたが、「新しい景色」は今回も届かず。スタンドには上越から大勢のサポーターが詰めかけ、惜しみない拍手が送られた。
前半早い時間帯で2点を失ったが、そこから怒濤(どとう)の反撃。前半29分に国体県選抜メンバーのMF小林優大(1年)が右CKを直接決め1点。1分後にはFW石戸珠莉也(3年)のアシストを受けたFW今井律杜(3年)が右斜めからゴール左隅に入れ同点。後半2分にはゴール前で梅澤龍翔(3年)が押し込み3―2と勝ち越した。上越春日FCや直江津中の地元出身者で得点を重ねた。
だが、後半17分に再び追い付かれると、延長前半1分に勝ち越され、試合終了間際のヘディングは惜しくもバーの上を通過した。
2016年に就任して以来チームを強化してきた藤川祐司監督(36)は「神様からまだ決勝に行くのは早いよと言われた感じ。相手とタレントの差がある中で、全体的にはよくやったなと言えるが、まだまだ足りない」と厳しい評価で振り返った。10月28日の準々決勝以降、チーム内にインフルエンザがはやり、この日は主力の複数が試合に出られなかった。「それを含めてのチーム力。未熟さ、経験のなさ。応援してくれた方々の期待に応えられず申し訳ない」と頭を下げた。
2点目を入れ、長身を生かしたプレーを見せた今井は「気持ちよく振り抜いて決めることができたが、後半はパスがずれたり、カウンターがうまく決まらなかった」と反省を口にした。1年時から出場するGKで主将の伊海央祐(3年)は「めっちゃ悔しい。絶対にビッグスワン(決勝の会場)に行こうと言っていたが、自分たちの弱いところが出てしまった」と話した。
今月25、26日には北信越プリンスリーグ参入戦を控える。伊海主将は「隙をなくして参入できるように」と前を向き、藤川監督も「この試合をよくやったで終わりにせず、積み上げていきたい。チャレンジしていくだけ」と力を込めた。