職人集団「木地屋」に迫る 資料館見学や映画上映 糸魚川でシンポ 発祥の地・滋賀県東近江市が協力


山から山へ移住生活を送りながら椀(わん)の素材となる木地を作っていた職人集団・木地屋の実像を探る「木地屋シンポジウム in いといがわ」(同実行委員会主催)が28、29の両日、糸魚川市内で開かれた。県内外から幅広い世代が参加し、木地屋の歴史と民俗について理解を深めた。
木地屋文化発祥の地として知られる滋賀県東近江市の協力で実施した。初日は木地屋の集落があった糸魚川市大所にある木地屋民俗資料館を見学。2日目は同市寺町4のビーチホールまがたまで映画上映、県内外から集まった識者による基調報告やパネルディスカッションなどを行った。
2日目は実行委員長の鶴本修一教育長が開会に当たり、「木地屋という貴重な民俗文化を全国に情報発信できる機会として、市民と共に全国から多くの皆さまにご参加いただいたことに大きな意義がある」と感謝を表した。
映画は貴重な資料として研究者に知られている『奥会津の木地師』を上映。木地屋文化がありありと伝わってくるシーンの連続に、場内から感嘆の声が上がった。
パネルディスカッションでは、木地屋民俗資料館館長の小椋裕樹さんらが「木地屋の移住と『氏子かり』」をテーマに活発に意見交換。冒頭には、糸魚川市を中心に活動する舞台芸術集団シーシャインによる朗読劇「森と生きる~うじこかりがやってきた」を上演し、観衆を引きつけた。

