上越市立高士小学校創立150周年 29日に式典と学習発表会 「善兵衛翁の精神」根幹に 生き方学び校史刻む


上越市立高士小は今年、創立150周年の節目を迎えた。29日、150周年創立記念式典と記念学習発表会を開く。
明治7年6月、第5中学校区公立第31番小学妙賀校として創立。同33年に高津尋常小学校、同35年に高士尋常高等小学校と改称。同36年に完成した校舎は、「日本ワインぶどうの父」として知られ、当時の高士村の村長だった川上善兵衛翁の都市計画により、街の中核に据えられた。学校を中心に道路が放射状に延び、役場や郵便局などの公共施設が集中。学校が中心の高士が出来上がった。
善兵衛翁の精神は学校の教育の根幹となっており、生き方を学ぶことを通じて「人のことを考える姿」「新しいことに挑戦する姿」「最後まであきらめない姿」を児童が身に付けることを目指している。生活科と総合的な学習の時間(総合学習)を「善兵衛学習」と名付け、学年ごとに特色ある取り組みを実施。1、2年生は生活科の中で生き物や地域を大切にする精神を学び、3、4年生は校内でブドウを栽培。5、6年生は善兵衛翁の業績を学ぶ。また、縦割り班で善兵衛翁ゆかりの地を訪れる「まつかぜラリー」など、全校一斉の行事も行っている。
善兵衛学習も地域の理解と協力があってこそ。3、4年生が取り組むブドウ栽培は、善兵衛翁が品種改良で生み出したマスカット・べーリーAなどを校内にあるブドウ棚で育てる。地域のブドウ栽培経験者が指導役を務め、芽かきや袋掛けといった作業のやり方や、作業による効果などを説明。収穫したブドウを校外で販売する際にも協力している。また、5、6年生は善兵衛翁が創業した岩の原葡萄園(同市北方)で職場体験を行い、ワインの製造工程を学ぶ。
これからも川上善兵衛翁の思いを受け継ぎ、地域と共に歩み続ける。


