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感謝の表現積極的に ドイツ柔道派遣で学ぶ 上越高部員成果発表

ブレーメン州のクラブチームでの合同練習に参加(現地の写真は全て上越高提供)
ドイツ柔道交流を報告する上越高柔道部員。左から羽根田絢音さん、白川真利奈さん、小林晃大君

 ドイツ柔道から学んだことを今後に―。東京オリンピック・パラリンピックを通じドイツ柔道連盟やチームと交流を続けてきた上越市は8月下旬に、ドイツ・ブレーメン市への市内ジュニア選手派遣事業を実施。同地で交流事業を行った上越高柔道部のメンバーによる成果発表が23日、市役所で開かれた。

 同事業は東京オリ・パラ終了後も交流の取り組みを継続し、次世代教育の充実につなげる目的で初めて渡独し行われた。上越市柔道連盟より推薦された上越高柔道部員4人と顧問1人、市職員1人の計6人が派遣された。クラブチームや合同の練習に参加し、ドイツオリンピックセンターでの練習もあった。街並みや歴史的建造物も見学した。同部メンバーは顧問の木下幸彦教諭(教頭)、部員の小林晃大君、羽根田絢音さん(共に2年)、中村将吾君、白川真利奈さん(共に1年)。

 発表には部員3人が「ドイツ柔道交流」と題して報告した。練習の雰囲気や目的、相手への愛情表現の違いを感じ、「練習相手に握手やハグを必ずしたり、投げた相手に手を差し伸べ、敬うスキンシップは当たり前のように行われていた」「階級や年齢、性別の違う人との練習はしないため、けがが少ない」「日本では試合に勝つことを目標にする人が多いが、ドイツでは体づくり、健康目的などさまざまな楽しみ方で取り組んでいた」「日本の道場独特の緊張感は全くなく、選手全員がポジティブで練習に前向き」などと発表した。

 ドイツは日本より人口が少ないものの柔道人口は約1・5倍あり、練習時のけがや事故が少ないことに感心。さまざまな目的に応えるシステム、けが防止の工夫、相手へのスキンシップを学んだとし、今後の取り組みに敬意と感謝のスキンシップを実践し提案すること、選手の価値観を尊重し柔道を志す仲間として成長する環境をつくりたい思いを示した。

 中川幹太市長は「お礼や感謝の意味は柔道の原点だと思う。これからも続けていってほしい。食事や街並み、文化の違いなど感じたことを皆さんに伝えてほしい」と同世代への伝達を希望。国際理解教育に力を入れている同校の風間和夫校長は「若い多感な時期に世界を見ることは意義がある。大きな経験になったことと思う」と期待した。

独連盟からカップ贈呈 11月23日に記念の冠大会

 ドイツ柔道連盟からカップが贈られた。上越地区と上越市の柔道連盟では11月23日に開く上越柔道大会を記念の冠大会に位置付けて行う方針。会場で部員たちが出場者に向け発表も行う。今後は連盟として同国柔道と自主的な交流を続けていきたいとしている。

ドイツ柔道交流を報告する上越高柔道部員。左から羽根田絢音さん、白川真利奈さん、小林晃大君
ドイツへのジュニア選手派遣事業の参加者と中川市長、上越高、柔道連盟関係者ら
現地のオリンピックセンターでの練習の様子
クラブチームの女性と上越高部員。宗教の関係でフードを取らずに練習する人もいたという。道場には技のイラストとローマ字の技名が表示されている
クラブの子どもたちと上越高部員
ブレーメンの音楽隊像と記念撮影する部員
練習の合間に歴史的建造物や街並みを見学

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