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スポーツ 上越市

「100キロマラソン」無念のリタイア… 1年後〝再挑戦〟しゴール 南魚沼市の西野敦子さん 棄権した地点から再開

100キロマラソンを1年越しにゴールする西野さん(左)と伴走の杉田さん(9日午後6時52分、ユートピアくびき希望館前)
ゴールし晴れやかな表情を見せる西野さんと伴走の杉田さん

 1年後に悲願のゴール―。昨年のえちご・くびき野100キロマラソンの100キロの部で制限時間により途中棄権となったランナーが1年後の9日、打ち切りとなった地点からレースを再開、無事にゴールした。

 ランナーは南魚沼市の西野敦子さん(44)。初参加だった昨年、途中でひざ痛に襲われたといい、第4関門、85キロ地点の柿崎区総合事務所で無念のタイムアップを迎えた。直前の国道8号の十字路で信号待ちとなり、その後の坂を必死に駆け上がったが、関門の制限時間に1分弱、間に合わなかった。

 同大会でボランティアをしながらランナーをサポートしていた、マリオこと杉田彰さん(56、大潟区)は吉川区の朔日峠付近でひざ痛に苦しむ西野さんを見かけ、痛みが和らぐ方法を伝授。その後、柿崎まで走り関門手前の坂を「鬼の形相で駆け上がってきた」姿に驚いたという。「友達の友達」でフェイスブックもつながっていたことから、「最後まで走ってもらいたい」と再挑戦を持ちかけた。

 1年後、打ち切りとなった地点(柿崎区総合事務所)から、同じ時刻(午後5時1分)に、伴走を買って出た杉田さんと共にスタート。大潟区にかけての海岸線を通り、そこから頸城区に向かうコース(距離15キロ)を走り、制限時間の8分前、午後6時52分にユートピアくびき希望館前に笑顔でゴールした。

 道中は会話をしながら足を進めたといい、ゴール後「きょうはめっちゃ、楽しかった。杉田さんに感謝しかない」と頭を下げた。そして「くびき野のコースは素晴らしい。海も見られたし、期待を裏切らない。来年も出たい。1年後が楽しみ」と、来年の挑戦に早くもやる気を見せていた。

ゴールし晴れやかな表情を見せる西野さんと伴走の杉田さん