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〈とことこお店めぐり〉御菓子司 紅久 「山のほまれ」を誇りに

2年後に創業200周年を迎える「紅久」と6代目の安田貴志店主
糸魚川銘菓「山のほまれ」

 糸魚川銘菓「山のほまれ」を製造、販売する老舗。糸魚川駅から徒歩5分、旧北陸道・本町通りを一本入った小路に店舗を構える。

 創業は江戸時代の文政8(1825)年、2年後に200周年の節目を迎える。糸魚川藩・清崎城の藩主に屋号「松風軒」を頂戴し、菓子店の歩みを初めた。明治期に「松風軒紅久」、昭和期に「紅久」と改称し、現在に至る。

 この間、昭和7(1932)年の糸魚川大火では店舗兼住宅、平成28(2016)年の駅北大火で自宅兼事務所を焼失したが、そのたびに苦境を乗り越えた。6代目の安田貴志店主(55)は「糸魚川の皆さんに大切にしていただいた結果、今がある」と感謝する。

 看板商品「山のほまれ」は、カステラの原材料を使い、煎餅に仕上げた菓子。89年の歴史を誇る。滋味深い味わいと、さくっとした食感。4種類の絵柄も楽しく、家庭用にも贈答用にも重宝される。ばら(3枚入り)は180円(税込み)。

 昭和9(1934)年、3代目店主が糸魚川銘菓を作りたいと考え、幼なじみの文人・相馬御風らの力添えもあり誕生した。御風が市街地から望む山容をたたえ命名。店内に直筆の詩が飾られている。「目標としてきた(創業)200年、(山のほまれ)100年が間近となった。これからも大切に守っていきたい」と安田店主。

・糸魚川市本町7-18

・午前8時30分から午後6時30分まで

・火曜日定休

・電025・552・6249

糸魚川銘菓「山のほまれ」

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