北陸新幹線敦賀延伸 関西との交流に弾み 大糸線・トキ鉄の連携に期待 花角知事 新県政記者クラブ会見

県議会9月定例会は26日から10月17日まで22日間の会期で行われる。開会を前に、県内の地域紙、専門紙などで組織する新県政記者クラブの定例記者会見が20日、県庁で開かれ、上越タイムス社は、来年3月16日の北陸新幹線金沢―敦賀間の延伸開業などについて、花角英世知事に所感や施策展開を聞いた。
敦賀延伸に関し、花角知事は「関西との交流人口拡大の大きなきっかけになる」と歓迎。「上越妙高、糸魚川と二つの駅が関西との交流拡大でさらに乗降客が増え、両駅を入り口にして県内に周遊していく」と展望した。
特に、来夏に向けて準備を進める佐渡金山の世界遺産登録との連動の可能性に触れ「来年の春、夏は大きな人が動くきっかけになっていくのでは」と期待した。
在来線の大糸線やえちごトキめき鉄道(トキ鉄)と北陸新幹線の連携について、花角知事は観光列車「雪月花」の大糸線乗り入れなどの実績を挙げ「周辺鉄道の魅力を上げていく努力は、必要だと思っている。現にさまざまなことをトキ鉄も、JR西日本も検討していると理解をしている」と話した。
◇高速鉄道あり方 議論の深まり提言
花角知事は、上越地域と下越地域を結ぶ高速ネットワークあり方検討の状況についても説明。JR東日本も参画して昨年度、本年度と2カ年で動いている有識者によるあり方検討委員会に関して、「信越本線の高速化だけでなく、もう少し違う案も含めて、幅広い議論をしていただいている。本年度、議論が集約される頃には、数字的なものを付けた上で、いくつかの案を県民の皆さんにお示しできるのではないか」との見通しを明らかにし、「幅広い議論を起こして県としてどういう高速鉄道のネットワークをつくっていくか、議論を起こしていきたいと思っている」との方向性を示した。
日本海側の軸としての羽越新幹線構想についても、「北陸新幹線が敦賀まで行くわけだから、糸魚川または上越妙高から分かれ、日本海側を北上する交通の軸、鉄道の軸をつくっていく機運につなげていきたい」と言及。四国4県、東九州、山陰など他地域の新幹線に対する〝熱量〟を紹介し「羽越も大事な日本の骨格の新幹線になる、基本計画に入っている路線。多くの関係者に認識してもらい、機運を上げていくことが必要。そういう意味で高速鉄道のあり方の議論は、その大事な第1歩につながっていく」との考えを述べた。