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地元出産 一安心 休止中の分娩再開へ 産婦人科医1人採用決まる 糸魚川総合病院

産婦人科医師の採用と分娩再開が決まった糸魚川総合病院
糸魚川市議会9月定例会の最終日本会議で、米田市長が糸魚川総合病院の分娩再開について報告した

 今年4月以降の分娩(ぶんべん)を休止している糸魚川市竹ケ花の新潟県厚生連糸魚川総合病院(山岸文範病院長)が、新たな産婦人科医師1人の採用見込みが立ったため、分娩を再開することが分かった。米田徹市長が21日、同市議会9月定例会の最終日本会議で報告した。病院側も21日付ホームページで公表、周知した。医師の着任は11月の予定。分娩再開の時期は着任後に医師と調整をして詳細を決めるとしている。

 米田市長、山岸病院長によると、新たに着任が決まった産婦人科医師は65歳男性。高知県内の県立病院を定年退職した後、同病院産婦人科の常勤医として迎える。医師不足を背景にこれまで市、県、病院は連携協力をして産科医師の確保に努めてきた。関係機関との協議、説明を十分に重ねて採用に至ったという。

 これにより11月から常勤医2人態勢となる。富山大から派遣されている現常勤医は婦人科診療、新たに着任する常勤医は産科診療の対応に当たる見通し。

◇医師確保に一安心 地元出産の継続を

 同病院は3月末に長年務めた産婦人科常勤医の退職後の後任医師が見つからず、産科医不在となり分娩を休止した。市内で唯一出産ができる医療機関で、「自分のまちで子どもが産めない」事態となり、市民に不安が広がった。米田市長は議会での報告後、インタビュー取材に応じ、「県や病院と(医師を)探すのに苦労してきたので、見つかって非常にうれしい」とまずは一段落とした。今後について「上越エリアの医療構想や働き方改革の変動期であることを捉えながら考えていきたい。引き続き糸魚川で産み育てられるようしっかり対応したい」と話した。

 市は、市外で出産せざる得ない状況を受けて始めた出産時の交通費、宿泊費の助成など妊産婦支援の各種制度などの取り組みについて、継続するかどうかは調整が必要になる部分もあるとして今後検討を図るとしている。

◇安心安全の態勢強化 近隣病院と連携充実

 山岸病院長は新たな産婦人科医師の採用、分娩再開に当たって「安全性を高める」ことを最優先とする。分娩取り扱いの件数を一定程度に制限し、引き続き、富山県の黒部市民病院や近隣の分娩取り扱い施設と連携共有に強化充実を図る。助産師による産前産後ケアの取り組みも続ける。

 「地元で安心して受診していただきたい」と話す一方で、「産科をはじめ地域医療の集約化は進む。猶予の期間ができたと捉えて今後の態勢を整えていきたい」と気を引き締めた。

糸魚川市議会9月定例会の最終日本会議で、米田市長が糸魚川総合病院の分娩再開について報告した