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事件語り継ぐ思い新た 坂本弁護士一家追悼コンサート 名立区で4年ぶり ゆかりの曲・歌響く

演奏を披露する松本さん(左)ら

 当時のオウム真理教によって命を奪われ、名立区の山中から遺体が発見された坂本堤弁護士とその家族を追悼する「愛とヒューマンのコンサート2023」が17日、同区名立大町の名立地区公民館で開かれた。参加者は楽器の演奏や歌声に聴き入り、痛ましい事件を風化させず後世に語り継ぐ思いを新たにした。

 1995年9月に同所や富山県、長野県で一家3人の遺体が発見されてから28年となる。コンサートは坂本さん夫婦と親交のあったバイオリニストの松本克巳さんによって1999年に始められ、2006年からは同区住民有志による実行委員会が主催している。

 長島良明実行委員長(77)は「犯罪の歴史を語り継ぐことが、よりよい社会づくりの一助になる。小さな運動を続けていきたい」と決意を語った。

 新型コロナの影響で4年ぶりとなるコンサートは、松本さんと、パリのオペラ座で活躍するピアニストのベッセラ・ペロフスカさん、娘でチェロ奏者のエステル・ペルシオさんとバイオリン、フルート奏者のエリーズ・ペルシオさん姉妹が出演。一家をしのんで作曲された「三つの薔薇に寄せて」、一日も早い軍事侵攻終結を願って賛美歌「ウクライナへの祈り」などを演奏した。

 地元コーラスグループ「キラキラ合唱団」は、坂本弁護士の妻・都子(さとこ)さんが残した詩を歌詞にした「あなたの心に」などを合唱。「都子基金」を創設した友人の逸見(へんみ)登久恵さん(64)は「都子さんの詩が歌い継がれることで、救われる思い。新たな縁でつながっている」と感激した様子で話した。

 また実行委員会委員の今野強さん、松本さん、逸見さんがこれまでの活動の歩みや坂本さん一家との思い出を語り合うトークセッションもあった。