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「戦争と子どもたち」テーマに 教育や遊びの中〝戦争〟 貴重な資料、実物も 8月15日まで上越市「平和展」  

貴重な「教育勅語」の実物(中央)。提供した平田さんによると、県内で個人が保管していたもの。ほとんどは戦後すぐに回収、破棄されたため「全国で10枚くらいしか残っていないのでは」という
戦争に関連したすごろくの一部。仲が悪かった陸軍、海軍の名が一緒に載っていたり、編集・発行に板倉区出身の実業家で、前島密の事業を支えた増田義一の名があるなど、さまざまな時代背景も知ることができる

 明治以降、日本が富国強兵を推し進める中で子どもたちは学校や遊びなど日常生活を通じて「立派な軍人になる」「戦争に勝つ」などの思想を植え付けられていった。上越市本城町の市立高田図書館内の小川未明文学館で8月15日まで開かれている同市の「平和展」では、貴重な資料からこうした歴史を知ることができる。

◇戦時中重視された教育 「教育勅語」の実物も

 板倉区にある浄光寺の前住職、平田真義さんは戦時中の教育やおもちゃなどの資料を提供。明治天皇が示した教育の基本的な考え方「教育勅語」は貴重な実物を展示。親孝行や友を信じることなど、現代にも通じる内容もあるが、国の大事には国のために働き天皇家を助けるようにといった記述も見られる。

 平田さん自身、かつては教職員で父が戦争に行った経験から、こうした歴史を伝える資料を収集し、子どもたちに授業をしたりもした。「何も知らず、教えられたことが全てとなる教育は、ある意味恐ろしい。戦時中でも重要視された教育について、見て、知ってほしい」と語った。

◇時勢に応じたすごろく展示 背景に物資不足も

 前島記念池部郵趣会会長の佐々木雄二さんは、戦争に関連した少年誌やすごろくを提供。敵性言語として名前が変わった雑誌、戦意高揚の漫画などを見ることができる。中でもすごろくは明治、大正、昭和と時代ごとに展示。著名な軍人が大きく描かれた明治から、第1次世界大戦の青島の戦いを題材にした大正、樺太(サハリン)や台湾、朝鮮半島を含めた新興日本を一周するものから、日中戦争を表した昭和と、時勢に応じて内容が変わっている。

 一方で佐々木さんは「すごろくの多くは雑誌の付録。都会の人や金持ち以外はなかなか買えず、金属供出で紙などしか素材がなかったのもよく作られた理由」とその背景を語った。8月5日午後2時30分からは、会場ですごろくのイベントも開くという。

戦争に関連したすごろくの一部。仲が悪かった陸軍、海軍の名が一緒に載っていたり、編集・発行に板倉区出身の実業家で、前島密の事業を支えた増田義一の名があるなど、さまざまな時代背景も知ることができる