〈全国高校野球新潟大会〉糸魚川、コールド発進 上越、タイブレーク惜敗


第105回全国高校野球選手権記念新潟大会は13日、4球場で前日雨天順延、継続試合となっていた残りの2回戦が行われた。上越勢は糸魚川が新発田南に先制を許したが、三回に5点を挙げて逆転し、8―1、七回コールド勝ち。上越は延長十回タイブレークの末、開志学園に3―4とサヨナラで惜敗した。高商新井海洋の3校連合は新潟第一に1―7で敗退、高田農は長岡向陵に0―10、五回コールド負けした。14日から3回戦に入り、上越勢は第5シード高田北城と糸魚川が15日にそれぞれ新発田、開志学園と対戦する。
◇東野11奪三振 打線は8得点 糸魚川
◇2回戦
【柏崎市佐藤池】
▽第2試合
新発田南
1000000|1
005003×|8
糸魚川
(七回コールド)
(新)小林、佐々木―野尻
(糸)東野―渡邉
▽二塁打 常木(新)
○…糸魚川は投打がかみ合い快勝。コールド勝ちで3回戦へ弾みをつけた。
先発の東野亜輝(3年)は一回表、先頭打者に二塁打を許し1失点したものの、以降は尻上がりに調子を上げ7回完投。11奪三振の快投で新発田南打線を封じ込めた。「全体的にバランス良く投げることを心がけた。直球が良かった。最後だけ三振を狙った」と振り返った。
打線は三回と六回に集中打で複数得点。三回裏は一死一、三塁から松尾輝来(3年)が同点のスクイズを成功させ、東野、加藤優真(3年)、渡邉慶大(3年)の中軸が3連続適時打で突き放した。六回裏は松尾と東野の2連続適時打で3点を追加し、試合を決定づけた。
佐藤学監督は「東野を中心にミスなく守れた。初回に1点先行されたが落ち着いてすぐ取り返せた。バントや走塁が打線のつながりを生んだ」と語った。
2安打1打点の加藤 自分が打ってチームを勢いづかせたかった。(先制されても)チームは取り返せる雰囲気だった。コンパクトなスイングができた。
◇全員野球でピンチしのぐ 上越
▽第1試合
上越
0001200000 |3
1000020001×|4
開志学園
(延長十回タイブレーク)
(上)水澤、富澤―橋本
(開)井熊、吉川、山崎、小川―長野
▽三塁打 今井(開)▽二塁打 松浦、江口(開)
○…上越は全員野球でピンチをしのぎ続け、延長戦へ持ち込んだ。タイブレーク(無死一、二塁から攻撃)の末に敗れたが、春からの成長ぶりを大いに見せた。
先発の水澤紘生(3年)の好投に応え、チームは五回表に2点を挙げて勝ち越し。六回裏に同点に追いつかれるが、一死満塁で登板した富澤遙斗(2年)が好救援で勝ち越しを許さず。九回裏の守備は先頭打者に三塁打を打たれ一打サヨナラとなったが、2回の申告故意四球から遊ゴロ本塁封殺、三ゴロ併殺打でピンチをしのいだ。
川田淳監督は勝ちきれなかった悔しさをにじませながらも、「よく我慢し、基本通りのプレーができた。よくやってくれた」と選手たちをたたえた。主将の木村光(3年)は「全員野球、生き生きとしたプレーができた。2年生たちは優秀なので、自分たちのプレーができれば上までいける」と後輩たちに思いを託した。
四回に同点打を放った7番・橋本昊樹(2年) 絶対に返すという気持ちで打席に立った。打撃に自信があったので、打ててとてもうれしい。
◇最高の仲間と意地の1得点 高商・新井・海洋
【新発田市五十公野】
▽第1試合
新潟第一
100501000|7
000000100|1
高商新井海洋
(新)鶴田―清田
(高)丸山、佐藤―鈴木
▽三塁打 中野(新)▽二塁打 田村2(新)丸山(海)
○…昨秋からチームを組む3校連合は現チームでの公式戦勝利はならなかった。思い描いた、点数を抑えて終盤勝負の形にはならなかったが、大島勉監督(高田商)は「彼らなりによくやってくれた。チームらしくなった」と連合チームとしての健闘をたたえた。
先発の主戦・丸山椋介(海洋2年)は5失点の四回に4四死球を与えるなど、「崩れ始めると、ワンマンになってしまう」と投球内容を反省。丸山が「3年生の意地、気迫を感じた」という左腕・佐藤太毅(高田商3年)は六回途中から救援。「1点取られたらコールドで負ける。ホームを踏ませない気持ちで投げた」と七回以降0を刻んだ。七回には3番佐藤のチーム初安打から1点を返し、八、九回も反撃のチャンスをつくった。
試合後、球場の外で整列したナイン。宮川滉大主将(高田商3年)は保護者らを前に「一人一人が最後まで諦めずに頑張った。連合だけど、最高の仲間でした」と時折言葉を詰まらせながら、感謝の思いを表した。
◇悔しさ募るも下級生に託す 高田農
【ハードオフ・エコスタジアム新潟】
▽第2試合
高田農
00000|0
3412×|10
長岡向陵
(五回コールド)
(高)田浪、中村―望月
(長)石田、小野塚、加藤―金山
▽三塁打 石田(長)▽二塁打 大竹、石田、江口、小野塚(長)
○…高田農は本来のバッテリー(打線の中軸)2人を体調不良で欠き、苦しい戦いに。序盤から四死球や守備の乱れもあって失点を重ねた。江口拓真主将(3年)は「チームの軸がいなかったのは大きかったけど、ここまで頑張れたのは2人のおかげ。3年間やってきた野球を出せずに悔しい」と話した。
3年生は入学以来3人で頑張ってきた。初回に先制機で回ってきた4番・長谷川成希(3年)は「思うようなバッティングができずに悔しい。(3年間)やりきれたので良かった」と悔しさをにじませた。犠打と相手失策で出塁した2番・古川魁里(3年)は「自分の役割はできた。3年生は少ないけど、上級生にかわいがられ、後輩からは慕われて活動ができたと思う」と振り返った。
江口は「1、2年生は自分たちよりはるかに上にいけるポテンシャルを秘めている」と勝利を託した。
先発登板し、一回に1番で安打した田浪健汰(2年) 1年生の捕手(望月大司)と話して投球した。新チームでは声を出して、雰囲気を良くして引っ張っていきたい。


