谷内池のオニバスなど視察 中川市長 三和区で移動市長室 上越市

上越市の中川幹太市長が地域に赴いて執務する「移動市長室」が2日、三和区で行われた。中川市長は同区総合事務所で市民と面談した後、同区島倉の「オニバス」自生地、谷内池を視察した。
オニバスはスイレン科の一年草。谷内池はかつて県内有数の群生地として知られていたが、近年は他の水生植物の影響などにより発生が確認されない状況が続いていた。
昨年度、地域団体「三和の自然と地域を育む会」が池のしゅんせつ作業などを実施。埋もれていた種子を採取・選別し、三和中生徒らと協力して発生へとこぎつけた。
視察では同会の佐藤正春会長が中川市長を案内。一連の取り組みによって発生したオニバスの葉、周辺環境の整備状況などを説明した。中川市長は「条件がそろわないと開花しないという状況が分かった。今後も三和区で取り組みを盛り上げてほしい」と話した。
同会は本年度、地域独自の予算を活用して環境整備を継続している。佐藤会長は視察について「市長に現状を見てもらえたことが重要」と話し、「これからは三和中や区内小学校と協力し、使用しないプールでオニバスを栽培。ビオトープにしていけたら」と今後を見据えた。
中川市長はこの後、同区神田の林富永邸を視察した。
移動市長室は3日にも安塚区総合事務所で行われた。