JR大糸線存続問題 まず利用促進、活性 花角知事 沿線自治体の方針支持

新県政記者クラブの6月定例会見が23日に開かれ、加盟各社が花角英世知事に県政の諸課題について質問した。このうち大糸線「糸魚川・南小谷間」の存続問題について、花角知事は「まず利用促進や沿線活性化の取り組みを進める」とする糸魚川市をはじめ沿線自治体の方針に対して、支持する考えを明確にした。上越タイムス社の質問に答えた。
同問題ではJR西日本金沢支社が、先に開かれた大糸線利用促進輸送強化期成同盟会・振興部会や大糸線活性化協議会の席上、利用促進や沿線活性化の議論と平行して「持続可能な路線としての方策に関する議論」の実施を求めていた。
花角知事は「振興部会がつくられた時の経緯からすれば、利用促進、活性化について関係者が最大限の取り組みをするということが、まずは重要。活性化に向けてやって見て、その状況を見て、次のことを考えるべきだと思っている」と述べた。
JR西日本の意向については「直接は聞いていないが、報道等で承知はしている」とした上で、あらためて「今の時点ではまず活性化の取り組みが最初。そのために県も、長野県としっかり連携しながら沿線自治体と一緒になって利用促進に最大限注力していきたい」と答えた。
「(JR西と)議論する中で、新たな結論が生まれる可能性はないか」との質問に、「地元は地元で、そういう議論を始めたらエレベーターやエスカレーターのように自動的に流れていってしまうという不安感もあるのではないか。地元の思いとしては精いっぱい、まずはそこ(活性化)に向かい関係者が最大限努力をしてみる、議論はその後との気持ちだろう」と察し、「県も、そこは尊重したいと思っている」との認識を示した。
10月に施行される国の新たな指針「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律」については、現時点では県が運用、利用する考えはないと説明した。